INPUT ALPHA メールマガジン

素晴らしい人生のために/今日の応援歌
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[10]
┏┯┯┓input-alpha/mail magazine ( 10 ) =============================
┠●┼┨ 発行/2000.05.03
┠┼○┨ 素晴らしい人生のために/今日の応援歌 【第 10 号】
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●人生を生きていくとき、くじけそうになることはありませんか?
人生が素晴らしいものであるよう、素敵な言葉の応援を送ります。

ぜひ、お読みになった感想をお寄せ下さい。ほんの少しの言葉で結構です。

----------◆CONTENTS◆------------------------------------2000 Nov.10---
[一本のマッチ] ヒュ―マンコミニケ―ションセンタ― 中村豊秀
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満員の最終列車が上野駅を発車して荒川の鉄橋を渡ってしまうと、乗客は一斉
に寝支度にかかり、隙間という隙間には、人間の手足が重なり合って、むせかえ
るような人いきれと、ひときわ高くなった車輪の響きに混じって、そこここから
かすかないびきも聞こえる。それは終戦の翌年の春まだ浅い頃のことでした。

車内の片隅の窓際に、一人の学生がじっとガラスに額をつけて、窓外の闇を見つ
めていました。しばらくそうしていた学生は、やがてあきたのか、ポケットから
マッチ箱を取り出して、一本の棒にシュッと火をつけました。何かを思い詰めた
ような真剣な表情をして、その火をじいっとして見つめていた学生は、その
火が指先の方へしだいに燃えてきて、まさに消えようとすると、あわててもう一
本の軸木を片手で取り出して、それに消えかけた火を移しました。

そしてその火が無事に燃え移ってゆくのを眺めながら、ほっと溜息をついていま
した。
学生はそれから、つかれたようにその火を見つめて、マッチ箱の中の軸木を一本
また一本取り出しては、次から次へと、その火が消えないようにリレ―を続けま
した。

彼の前の席に中年の紳士が腰掛けていましたが、その紳士はじっと学生の気違い
じみた振る舞いを、さっきからにがにがしげな表情で眺めていました。
薄暗く混み合った狭い中での危険な火遊び、マッチ一本も大切な、物の無い時代
もわきまえない非常識さ、鼻や喉が痛くなるイオウの煙に、次第に我慢ができな
くなったようでした。「おい君、いいかげんによさないか」

ついに爆発しました。然しさすがに紳士は、物静かにそう言ったきりでした。
学生は瞬間ピクッとしたように顔をあげましたが、すぐ目を伏せると、手の中の
マッチの火をふっと吹き消して、寂しそうにその燃え殻を見つめていました。
それから何時間経ったのか、白々と明け始めた車窓で、紳士はふと眠りから覚め
ました。そして気がつくと、前の席の学生はいつの間に降りたのかもうそこにい
ませんでした。そして紳士の膝の上に小さい紙片が乗っていました。

「たいへんご迷惑をかけてすみません。くにの母が危篤で急いで帰る途中です。
母子二人きりです。その母です。僕は何としても生きていて貰いたいのです。帰
るまで無事なように、心で祈り続けていました。
ふと、マッチの火が消えないうちは神様が守って下さる、きっと大丈夫だという
気がして、ご迷惑をお掛けしました。僕は次の〇〇駅で降りて、母のもとに急ぎ
ます」と。

紳士は読み終わると、はるかに飛び去る窓外の景色を見送りながら、怒ったよ
うに一言つぶやきました。
「どうしてそれが口で言えないんだ。君を慰めることばだってあったのに」

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[10+1]
┏┯┯┓input-alpha/mail magazine ( 10 ) =============================
┠●┼┨ 発行/2000.05.06
┠┼○┨ 素晴らしい人生のために/今日の応援歌 【臨時増刊号】
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●人生を生きていくとき、くじけそうになることはありませんか?
人生が素晴らしいものであるよう、素敵な言葉の応援を送ります。

ぜひ、お読みになった感想をお寄せ下さい。ほんの少しの言葉で結構です。

----------◆CONTENTS◆------------------------------------2000 Nov.Z02--
[テレビ寺子屋] ヒュ―マンコミニケ―ションセンタ― 中村豊秀
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皆さんこんにちは。「今日の応援歌」をご愛読下さいまして本当にありがとうご
ざいます。これからも引き続いて頑張って参ります。これをご縁に直接メ―ル交
換もできたら嬉しいなと思っておりますので、お気軽にメ―ルをお寄せ下さい。
又テレビ寺子屋はテレビ静岡をキ―局として全国26局で放映してますから、生
の放送もご覧になったら、もっと感銘も深いと思いますので、ご紹介しておきま
す。


[テレビ寺子屋スケジュ―ル2000/4]


|放 送 局 |曜| 放送時間|

|テレビ静岡 |土| 9:55〜 10:25|
|フジテレビ |土| 5:00〜 5:30|
|北海道文化放送 |日| 6:30〜 7:00|
|岩手めんこいテレビ|日| 5:45〜 6:15|
|秋田テレビ |土| 5:30〜 6:00|
|さくらんぼテレビ |日| 5:45〜 6:15|
|仙台放送 |日| 5:10〜 5:40|
|福島テレビ |土| 5:25〜 5:55|
|群馬テレビ |土| 8:30〜 9:00|
|テレビ埼玉 |月|10:30〜 11:00|
|とちぎテレビ |土| 8:30〜 9:00|
|新潟総合テレビ |土| 6:00〜 6:30|
|長野放送 |日| 6:30〜 7:00|
|富山テレビ |土| 5:00〜 5:30|
|石川テレビ |日| 5:15〜 5:45|
|福井テレビ |土| 6:00〜 6:30|
|東海テレビ |日| 5:40〜 6:10|
|関西テレビ |日| 5:45〜 6:15|
|岡山放送 |日| 6:30〜 7:00|
|山陰中央テレビ |土| 5:25〜 5:55|
|テレビ新広島 |金| 5:25〜 5:55|
|愛媛放送 |日| 5:45〜 6:15|
|高知さんさんテレビ|日| 6:30〜 7:00|
|テレビ山口 |日| 6:00〜 6:30|
|テレビ西日本 |日| 5:30〜 6:00|
|サガテレビ |木|10:55〜 11:25|

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[11]
┏┯┯┓input-alpha/mail magazine ( 10 ) =============================
┠●┼┨ 発行/2000.05.10
┠┼○┨ 素晴らしい人生のために/今日の応援歌 【第 11 号】
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●人生を生きていくとき、くじけそうになることはありませんか?
人生が素晴らしいものであるよう、素敵な言葉の応援を送ります。

ぜひ、お読みになった感想をお寄せ下さい。ほんの少しの言葉で結構です。

----------◆CONTENTS◆------------------------------------2000 Nov.11---
4/30テレビ寺子屋 「学校は子供のサロン」教育評論家 斎藤次郎先生
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GW連休まっ盛りの5月3日、皆さんいかがお過ごしですか。
それにしても毎日何とも言いようのない悲惨な事件が起きてます。くれぐれもご
用心下さい。特に未成年の犯罪が目立つようです。モラルの喪失といいますか、
精神面の未熟さというのが、気になって仕方がありません。折しも寺子屋で子供
の教育ということでの話題でしたので、ご紹介いたします。今まで私は、そんな
に子供の休みを多くして、これ以上遊ばしてどうなるのだと思っておりましたが
、このお話しを聞いて、少し考えてみようという気になりました。皆さんのご感
想もお聞かせ下さい。

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子供は元気が出るといろんなものに興味を持つようになる。
今日は学校とはいったいどういう役割を持っているのか、何の為にあるのかとい
うことについて考えてみたい。というと、学校とは知識を習得して、技術を身に
つける所に決まっているではないかと思っているでしょうが、私は少し考え方が
違う。学校は教育ばかりではないと思う。そもそも学校の一番大切な機能は託児
機能だと思う。現に家庭のお母さんにとって、夏休みに入った最初のうちは久し
ぶりに一緒に遊べると思うが、2,3日立つとうるさい、じゃまだなと感ずるの
ではないでしょうか。

結局学校とは、親が子供を忘れることができる為にあるといってもいいでしょう
。その間にお母さんは仕事をしたり、気がねしないでTVを見たり、お茶を飲ん
だり楽することができるのです。学校に子供が任されているのです。そのために
100年近く学校が続いているのです。

これは大人の都合から見た場合ですが、一方子供から見ると、確かに親は有難い
が、然し上機嫌で遊んでいる時には、ああこれでお母さんがいなかったらどんな
に楽しいかと思うわけです。すぐにだめ、片づけなさい、汚さないでとか干渉さ
れる。そんなわけで親がいない時、友達と遊べるのは、子供にとってはまさにサ
ロンのように楽しいひとときです。

子供にとって毎朝学校に行く時、さあ今日は通分の勉強だぞとか考えているでし
ょうか、そんなことより、友達とゲ―ムをしたり、昨夜のTVのことを話し合っ
たりとか、楽しいことばかり考えている筈です。約束しないで、毎日友達と会え
る場所が学校というわけです。文句を言われることなく遊べる場所です。学校が
終わるとそれぞれが塾だとか何だとか予定があって、なかなか思うように遊べな
い。
でも遊ぶだけじゃ締まらない。その口実で勉強するというわけだ。すると親は安
心だし、子供は楽しい。

それができれば、80%はOK。残り20%が教育。つまり、託児機能が40%
、サロン機能が40%、教育機能が20%で丁度いいと思う。人間関係がうまく
いってたら、算数、理科、国語もまあまあスム―ズにいくもんだ。
本当に20%でいいのかと心配する方がおられると思うが、私はそれでいいと思
う。

去年、全国の小、中学生で不登校の生徒と児童が12万人いる。一つの学校で考
えるとそう大した数ではないと思うかも知れないが、仮に400人の学校が30
0校分の人数が開店休業していると考えると恐ろしくなる。学校に行けないとい
うことは、学校が託児機能を放棄したということだ。楽しくないからその圧迫感
がお腹が痛いとか、頭が痛いとかで、不登校となる。つまり登校拒否ということ
だ。

サロン機能が難しくなってきた。苛めが増えてきた。それで自殺までおこるよう
になってきた。余りたくさん事件が起こるので、新聞の記事まで小さくなってき
た。苛めもとめられない。苛める子供も幸せではない。幸福な人が人を苛めます
か。見ている子供も助けられない。子供の人間関係が悪くなってきている。

何が原因だろうかというと、教育の部分が大きすぎるのだ。2002年の新しい
学習指導要綱でそのことが問題視されて、今の教育のおよそ3分の一が削られる
ことになるのだ。難しいことはもう少し大きくなってからでいい。毎週土曜が休
みになる。

総合学習が導入される。今までの先生からの一方的な授業が無くなって、子供の
主体性を尊重して、みんなで学習したり、一般の人にも先生になって貰って、勉
強したりするようになる。一方通行でなく楽しく元気にみんなでやろう。もう少
し伸びやかに育てよう。大切な基本的なことは20%の時間でやれる。

親は何もしないでいいというわけではない。子供が家に帰ってきた時、まず宿題
があるんでしょう、連絡帳はと聞かずに、それよりも何か楽しいことがあったと
聞いてほしい。もし楽しいことが何もないと言ったら問題だ。一杯あったが忘れ
た、と言って遊びに飛び出していく位が一番いいのだ。そんなのは心配だ、じゃ
なくて、これが本当なのだと思ってほしい。親のほうが考え方を変えなければい
けないと思う。

字でもそうだ。余り細かいことを言わなくても、子供達の時代はワ―プロやパソ
コンで十分用がすむようになる。飛行機の飛と非行少年の非とが判ればいい。そ
して非の下に心と書いたら、悲しいになるんだねと言えるようになったら御の字
だ。友達と一緒に楽しくやってるかどうかで、苛めや不登校が減っていく。休み
時間と授業時間とで子供の態勢が違う。固いのが本来の姿ではない。
サロンが楽しいと勉強をやる気がおきる。授業が始まる時と終わる時のチャイム
の音は同じでも全然その感じ方が違うものだ。楽しい休み時間を過ごして、さあ
やろうと明るい気持ちで勉強に臨む方がはるかに効率がいいのだ。

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[12]
┏┯┯┓input-alpha/mail magazine ( 10 ) =============================
┠●┼┨ 発行/2000.05.17
┠┼○┨ 素晴らしい人生のために/今日の応援歌 【第 12 号】
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●人生を生きていくとき、くじけそうになることはありませんか?
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ぜひ、お読みになった感想をお寄せ下さい。ほんの少しの言葉で結構です。

----------◆CONTENTS◆------------------------------------2000 Nov.12---

[最近の若い者] ヒュ―マンコミニケ―ションセンタ― 中村豊秀
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木村さんは、50代後半の熟年のサラリ―マンです。毎日の片道2時間の通勤
がちょっと辛くなってきた今日このごろです。

木村さんの嫌いな言葉の一つに「どうも最近の若い者は・・・」というのがあり
ます。この言葉は五千年の昔から言われてることで、あるピラミッドから発見さ
れた文書を翻訳したら「どうも最近の若い者は・・」と書いてあったと言われて
るくらいです。

でも木村さんはそんなことはないと、日頃からそう思っておりました。
ある日、朝から新しい企画について会議々々の連続でくたくたに疲れて帰りの満
員電車に乗ってましたが、ずっと立ちっぱなしで座りたいなあと思ってました。

ある駅の近くになった時、すぐ前の席の人が降りそうな気配がしたので、「や
れやれ、やっと座れるぞ」とホッとしたそのとたん、隣りで3人連で話していた
高校生の一人が、横からさっと滑り込みでその席に座ってしまったのです。さす
がに日頃温厚な鈴木さんも思わずムッとして「なんだ、こいつは。どうも最近の
若い奴は困ったもんだ」と思いました。その高校生の友人達も「おい上田、お前
要領のいい奴だなぁ」とあきれていました。ところがその上田君は「違うんだよ
。あのおばあさんを呼んできてくれないか。」と友人に頼んでました。見ると一
寸離れた所で大きな荷物を背負った一人のおばあさんが立っていました。やがて
近づいてきたおばあさんに「さあ、ここが空きましたよ。お座り下さい」とさっ
と立ち上がって譲りました。
「どうもすみません、ありがとうございます」と嬉しそうにおばあさんは腰掛け
ました。
そして上田君は木村さんに「おじさん、ご免なさい。さっきから気になってたも
のですから、つい勝手なことをしてどうもすみません。」と謝るのでした。

「いいんだ、いいんだ。僕は大丈夫だよ。気にしないでいいんだ」そして心の中
でしみじみと「やっぱり僕の考えは間違ってなかった。最近の若い者なんてと否
定的な見方は間違ってる。こんないい若い者がいるじゃないか」とつぶやくので
した。
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【編集後記】

著者の中村豊秀さんは、気配りに優れた方で、話し方の教室なども開いています
名刺の整理術にも優れ、交流関係の広さには驚かされてしまいます。先日も朝一
番で電話を頂きました「お誕生日おめでとう」嬉しいものです。又一年がんばれ
る、そんな気持ちになってしまいます。
皆さんも是非一度、お知り合いにバ―スデイコ―ルをしてみませんか。

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[13]
┏┯┯┓input-alpha/mail magazine ( 10 ) =============================
┠●┼┨ 発行/2000.05.24
┠┼○┨ 素晴らしい人生のために/今日の応援歌 【第 13 号】
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●人生を生きていくとき、くじけそうになることはありませんか?
人生が素晴らしいものであるよう、素敵な言葉の応援を送ります。

ぜひ、お読みになった感想をお寄せ下さい。ほんの少しの言葉で結構です。

----------◆CONTENTS◆------------------------------------2000 Nov.13---


[大切な一通の手紙] ヒュ―マンコミニケ―ションセンタ― 中村豊秀
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広島のある重電機メ―カ―の技術者の伊藤さんが、玄関の壁に額に入れて飾っ
ている一通の手紙があります。
もう25年近く前の話です。当時伊藤さんは、中近東地方のある国から受注した
大きなプラントの責任者として大勢の仲間と一緒に働いていました。

やがて完成して、それを現地に設営して、稼働させる目的で現地社員の指導監
督の最高責任者として、単身赴任で長期出張することになりました。
その送別会の席でのことです。みんなそれぞれに体に気をつけて、元気にやって
きて下さいと、激励、送別のスピ―チが続きました。
最後に立った山田部長はこんなスピ―チをしてくれました。
「皆さん、今度伊藤さんは、2年ほど単身で長期出張することになりました。
私もかって若い頃、何度も同じような経験がありますが、寂しいものです。
最初のうちは忙しさにまぎれて、夢中だからそうでもないのだが、やがて一段落
すると、単調な毎日の連続です。とにかく言葉が通じないし、回りに何も娯楽施
設もなし、厳しい暑さとの戦いです。そんな時、なにより嬉しいのは故郷からの
便りでした。そこで皆さんにお願いがあります。ここに箱を一つ持ってきました
ので、これにどんな些細なことでもいいから、紙に書いて入れて下さい。

例えば、今度人事移動があったとか、会社の運動会で誰がどんなゲ―ムで何等に
なったとか、面白い新聞記事の切り抜きでも何でも結構です。なにしろニュ―ス
に飢えているから、とても新鮮で嬉しいものです。そこで一週間に一遍まとめて
送ってあげて下さい」
さて、やがて現地に赴いた伊藤さんのもとには、毎週楽しい便りが届き、寂し
い思いをせずにとても感謝しました。ところがだんだん月日が経つうちに、間
遠になってきて、十日置き、二週間置きとなり、いつしか途絶えがちになりまし
た。
ところが山田部長だけは、毎週必ず一通の葉書を書いて下さったのです。
誠実な人柄がにじみ出てる優しい思いやりの籠もった暖かいお葉書でした。

ある日、事務所の片隅のテレックスがカタカタカタと、打ち出した通信を見て、
伊藤さんは、一瞬目の前が真っ暗になりました。
なんとそこには、あの山田部長がソ連にニ週間ほど出張して、その帰りの飛行
機事故で亡くなったという報告でした。暫し、呆然自失として、どうしても信じ
られないと伊藤さんは立ち尽しました。

そして更に一週間ほど経ってまた一通の手紙が舞い込みました。
その裏の差出人を見た伊藤さんは、思はず、「あっ」と叫びました。そこには亡
くなった山田部長の名前がありました。どういうことかと一瞬目を疑いました。
でも間違いありません。たしかに伊藤部長のお名前です。
中を読んで見ましたら、仕事が終わり日本に帰る直前にお書きになったお手紙だ
ったのです。
「やあ伊藤君、元気にやってるか。ここニ週間ほど連日多忙でどうにもならなか
ったのだが、やっと終わった。これから日本に帰るのだ。君の方ももうすぐおし
まいだろう。どうぞ身体を大事にしてがんばって下さい。」といつものように心
の籠もったお手紙でした。

それが文字通り山田部長の生前の最後の手紙だったわけです。
伊藤さんは泣けて泣けて仕方がありませんでした。
三か月後、ニ年ぶりに懐かしい日本に帰ってきた伊藤さんは、大事な宝物の山田
部長の最後のお手紙を額に入れて、玄関の壁に飾って、毎朝出勤の時にその手紙
に向かって、「部長、行ってまいります」とごあいさつをしてから出かけます。
勿論帰ってきたら、「只今帰りました」とごあいさつをします。伊藤さんの胸の
中にはいつ迄も山田部長は生きてます。

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[14]
┏┯┯┓input-alpha/mail magazine ( 10 ) =============================
┠●┼┨ 発行/2000.05.31
┠┼○┨ 素晴らしい人生のために/今日の応援歌 【第 14 号】
┗┷┷┛==============================================================

●人生を生きていくとき、くじけそうになることはありませんか?
人生が素晴らしいものであるよう、素敵な言葉の応援を送ります。

ぜひ、お読みになった感想をお寄せ下さい。ほんの少しの言葉で結構です。

----------◆CONTENTS◆------------------------------------2000 Nov.14---

[一人娘の結婚式] ヒュ―マンコミニケ―ションセンタ― 中村豊秀
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上野のある大きなホテルでの結婚式が華やかに進行しておりました。来賓から
始まって次々に、挨拶が続いてます。
やがて、花嫁のお父さんの友人の高木さんのスピ―チの番になりました。

高木さんはかなりひどい吃音の方でした。指名を受けてやおら立ち上がった、高
木さんはポツリ、ポツリと話し始めました。
始めのうちは、型通りおめでとうから入っていきましたが、やがて次のように
続いていきました。
「ゲ―テの言葉に、一人娘を嫁にやる時の父親の気持ちほど、こわれやすいもの
はない。というのがあります。皆さん、先程から私は今日の花嫁君子さんのお父
さんの田中さんのお姿を、ずっと見ておりましたが、皆さんからのお祝いの盃の
一杯、一杯をじっと噛みしめるように飲んでおられます。私には今の田中さん
のお気持ちが手にとるようにわかるような気がします。実は私にも一人娘がお
りました。と申しますのは、丁度1年前、嫁がせました。 最初話が持ち上がり
ましたのは2年半ほど前になります。始めのうちは「おお、いよいよわが娘も
嫁にいく年頃になったか。よかった。よかった。」とほっとしたような反面、な
にか寂しい思いがしたのも事実です。

しかも彼の職業は商社マンで、会社の都合で、結婚と同時に二人でアフリカの
南の端へ転勤というのです。何もそんな遠くへ行かなくてもいいじゃないか、お
父さんがもっといいのを探してあげるから、止めなさいといったのですがなかな
か娘は聞いてくれません。
いよいよもうあと数日で、結婚という日になって娘が手をついて「お父さん、
お母さん、長い間お世話になりました。どうぞいついつまでもお元気でお過ごし
下さい。どうも有難うございました」と挨拶をしてくれました。
その瞬間、私の心が変わったのです。

「そうだ、今までは私達親たちの責任でこの子を守ってきたのだがこれからは、
もうこの彼に任かせて、頼む以外にはないのだ」と。
どうぞ、花婿さん、田中さんも君子さんもこの世の中で貴方一人が頼りですから
、どうぞ末永く君子さんをよろしくお願いいたします」とつおいつ、どもりつ、
約十分近いスピ―チが終わった瞬間、じっと俯いたまま、静かに聞いていた田中
さんが、すっくと立ち上がってそのまま、一番うしろの席から花婿の前まで駆け
寄って、がっしりと両手を取り合って、「どうぞ、君子をよろしくお願いします
」といつまでも握手をしていました。その時、お客さんが一斎に立ち上がり、萬
雷の拍手がいつまでも、いつまでも鳴りやまず、熱い熱い感動の嵐でした。
あとから聞いたのですが、田中さんはいつ立ち上がって、いつあそこまで走り
寄ったのか、全く夢我夢中で覚えがないということでした。


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IA magazine 素晴らしい人生のために 毎週水曜日発行(週刊誌) No.14

発行■インプットアルファ http://www.futaba.ne.jp/~ko-ko/index.html
責任■小林 高一 ko-ko@futaba.ne.jp
執筆■ヒュ―マンコミニケ―ションセンタ― 中村豊秀 LDJ04070@nifty.ne.jp
配信■まぐまぐ 0000026706 http://www.mag2.com/

Copyright(C) 2000 Toyohide Nakamura All rights reserved. 無断転載禁止
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