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素晴らしい人生のために/今日の応援歌
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┏┯┯┓input-alpha/mail magazine ( 10 ) ===============================
┠●┼┨ 発行/2003.10.01
┠┼○┨ 素晴らしい人生のために/今日の応援歌 【 第 188 号】
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●人生を生きていくとき、くじけそうになることはありませんか?
人生が素晴らしいものであるよう、素敵な言葉の応援歌を送ります。
ぜひ、お読みになった感想をお寄せ下さい。ほんの少しの言葉で結構です。

----------◆CONTENTS◆------------------------------------2003 vol.188 -
テレビ寺子屋[子供にふさわしい世界] 歌手&教育家 アグネス チャン
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アグネス チャンが1993年に来日して、「ひなげしの花」でアイドル歌手と
してデビューして、今年で丁度30周年を迎えました。1997年にユニセフの
大使として活躍して5年、この4月に6日間のティーチインを開きました。

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各界の先生方がボランティアで子供達の為に、夫々の立場で、対談の形で話をし
て下さいました。今日はその模様の報告です。

第一日目は亀淵昭信さん。ニッポン放送の社長さんです。「メディアと子供達」
でした。冒頭、確かに子供に悪影響を与えることもありますが、最近は放送業界
でも会議が開かれて、少しでも為になる、楽しいものを作るようにと努力をして
ます。
そこで、子供達のためにはまず大人が、声を出すべきだ。世界の子供達の為に、
こうして欲しいということをわかってもらうためには、一人一人が発信すべきだ
ということです。それぞれが、メディアなのです。正しいと思ったら、どんどん
発信することが大事なことだと思いました。

二日目は、アリス ウオーカーさんというアメリカの作家で「カラーパープル」
という本をお書きになった、59才の美しくてすばらしい黒人の女性です。
丁度、一番おいしいキウイのような方で、甘い香りがしました。人種差別問題や
世界の平和運動などで活躍している方です。
人を愛することについてお聞きしましたら、「いや、それには人を愛する前に、
まず自分を愛すことが大事です。SELF LOVE 本当に納得するまで、自
分を愛しましょう」と私の目をまっすぐに見つめて言いました。
そして人を愛する時は、決して差別をしてはいけない。太っているとか、痩せて
いるとか、お金の有る、無しとか、年令、性別など一切を差別してはいけない」
と言われました。
人間はみんなおいしそうです。ピチピチした完熟した果物です。粗末にしてはい
けない。バナナやピーチ、リンゴを投げてはいけないと同じように、大事にしな
くてはいけない。デリシャスと言ってました。
強い信念と愛情を持った人でした。感動しました。

三日目は新井満さんという作家でした。「子供と環境」というテーマでした。新
井さんはかっては、企業の戦士でテレビの広告の仕事をしてました。
ある時、環境というテーマで企画を立てて、美しい海でのんびり想を練ってまし
た。そして、海に潜ってみたら、透き通った海の底でキラリと光ったものがあり
ました。何だろうと思ってそこへ行ってみたら、何とビールの空き缶でした。
「誰がこんな所に空き缶を捨てたのだろう」と思って、拾ったのですが、何も自
分が捨てたわけじゃないからと思って、又捨てました。だがどうしても責任を感
じて、再び潜って拾い直して、ホテルに持って帰ってきて、花を活けました。何
とかしなきゃいけない、地球を守らなければいけない。
新井さんが言いました。「人生、30年は自分探しです。あと30年は自己実現
です。そしてあとの30年は社会貢献の為です」と。
私は人と話し合ってこう修正しました。「最初の自分探しに30年は長いのでは
ないでしょうか。人によって違うと思います。例えば、イチローのように子供の
時からしっかりと目標を立てて、やってる人もいますし、スポーツ選手だから早
く引退するかも知れないし、それから又、第二の自分探しをする人もいるのでは
ないでしょうか」

四日目はテリー伊藤さんでした。日本は勝ち、負けにこだわりすぎている気がす
る。勝ち組、負け組とよく言われますが、結局皆同じ意見だから、その中間のま
あまあ組があっていいのではないかとおっしゃいました。私は伊藤さんと話して
いるうちにイマジネーションがわきました。いろんな角度から想像力をめぐらせ
て真実を探して子供を救って下さい。

五日目は安倍晋三さんです。「政治と子供」がテーマです。安倍さんには政治的
に今までもいろいろと応援して頂いております。以前にも児童買春禁止法案を通
して下さいました。法律的に子供を守ってもらわないと子供の権利を守ることが
できないのです。日本には子供の人身売買禁止の法律がまだないのです。それが
ないから、たくさんの未成年の少女が日本に売られてくるのです。日本では罪に
ならないからというのです。そういう天国にならないようにしなければいけない
と思いました。

最後の日はユニセフの専務理事の東郷良尚さんです。もとJALでお仕事をして
おられました。ユニセフが援助団体であっても、無駄のない援助団体でなければ
いけないと思う。子供がかわいそうだからといって、ただしてあげるだけではな
く、開発的に一人一人を育てるのが必要だということです。
世界の富が平等であればいいのですが、現実は80%の富を20%の人が持ち、
残りの20%の富を80%の人がわけているという現状です。この格差はますま
す広がっていく傾向にあります。今仮にトップの20人の人が自分の年収の5%
づつを出してくれたら、地球上の子供達が学校に行けると言われてます。

子供達が自立できるように環境を作っていくべきではないかと思います。

私はユニセフ大使として感じたことは、かわいそうだから応援して下さいとお願
いする時ではないと思いました。それよりも、むしろ一人一人にわかってもらっ
て一緒に考えてもらう時だと思う。

丁度、土曜日だったから、たくさんの子供達も出席してましたが、質問がでまし
た。
「子供達も何かしたいのです。どうしたらいいのですか」。私は「世界のことを
わかってもらいたい。夢を見てほしい」と答えました。

次に「一番の先生はだれですか」ときかれました。
私は迷わずすぐに「それは子供達です。なにが大事かを教えてくれましたから」
と言いました。

子供達はちょっとした元気があったら、遊ぼうとする。ちょっとした元気があっ
たら笑おうとする。そんな子供達に元気を貰った気がしました。
皆と一緒に頑張っていきたいと思います。

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[189]

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┠●┼┨ 発行/2003.10.08
┠┼○┨ 素晴らしい人生のために/今日の応援歌 【 第 189 号】
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----------◆CONTENTS◆------------------------------------2003 vol.189 -
テレビ寺子屋「大林映画の原点」 映画作家 大林 宣彦
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人間が一人前になったと感じるのは、親孝行ができたと思えた時だと思います。
親孝行をする喜びがあるならば、ふるさと孝行もあるのではないかと思ったので
す。
現在の心や感情も、みんなふるさとの食べ物や、父母の養育のおかげで今日があ
るわけだから、ふるさと孝行とは、その良さを全国に向けて自慢することだと思
います。これは文化です。文化とはそこにある、そこにしかない、そこだけにし
かないもの。どうかすると、よそに比べて、不便だとか、また我慢したこともあ
る、だからこそ今の自分があるのだ。

「ふるさとは遠くにありて思うもの、近くにありて暮らすもの」長年、尾道に関
係するいろんな映画を作ってきました。

尾道では手話で雲を表すのに、両手の間を3,40センチ位開けて、目の前で横
に波打たせる動作します。つまり白い入道雲を表現しているのです。ところが東
京では、片手で指の間隔を10センチ位開けてすっと動かすのです。
手話は世界共通語かと思ってましたが、方言もあるのですね。尾道にとっては、
あの白い入道雲が一番自慢の雲なのです。だから手話は文化なのです。

知らないことは、いつか知ることができるのだから、いいことです。いつも空を
眺めて、いろんな雲の形をみるのが、私の楽しみでした。人間がいくら文明を発
達させても、自然の力にはかなうわけはありません。

私の父がよく「五風十雨」ということを言ってました。父親は96才で死にまし
た。亡くなりましたとは言いません。いくら親しい友人にでも「君のお父さん死
んだんだってね」とは言ってはいけません。身内のことは死にました、と言いま
す。「五風十雨」とは、五日にいっぺん風が吹き、十日にいっぺん雨が降るとい
う意味で、これが農作物の成長にとって、一番いい条件なのです。映画人にとっ
ては十日間まるまる天気の方が仕事がはかどって都合がいいし、雨がいやで、屋
根を作って防いだり、地下に商店街を作ったりする。ひょっとしたら、人間はち
ゃんと育ってないのではないでしょうか。

「五風十雨」とは天下泰平、平和で穏やかということだが、世界は未だに戦争が
終らない。どこか人間のおごりではないだろうか。

映画は一つの言葉から生まれる。表現の自由がある。父は医学者だったが、軍医
になり、8年間戦争に行き、もう学者では駄目だと思い、開業医になりました。
自分の青春は戦争に奪われて、自由はなかった。
自由なら、泥棒でも持っている。もし泥棒が、自由にしたらどうなるか。泥棒が
自分が泥棒することによって、人が嘆いたり、悲しむのを思いやって、自ら泥棒
を止めるのが本当の世の中だ。

映画は真っ白なスクリーンに夢を描く。空白の世界がある。神様の世界には空白
はない。山、川、その他自然で彩るからです。何故空白が作られたのか。そこに
神が作られた自然と同じ物を作られるか、ためされているのではないか。
もしそこに、ドンドン、パチパチ、2001年9.11のあの出来事は、映画に
したらそのまま素晴らしい映画になるだろう。だが然し、そんな間違ったものを
作ったからバチが当たったのかもしれない。

尾道の方言に「てごうする」というのがある。漢字で書けば、「手合する」だ。
「手助けする」ということです。困っている人を、困っていない人が助けるとい
うと、上下関係が生まれる。
手話では、ボランティアのことを左手を右手でトントンと叩き(働き)、次に下
から両手を上に動かす(手助けする)から、
今では左から右へ横一本動かして、右の人差し指と中指で、前後に動かす、(み
んなで一緒に歩く)に変わってきてます。
手話は心を育てる。

母がよく、醤油が「みてたよ」と言ってました。
これも一寸わからないでしょうね。醤油が無くなったということです。漢字で書
くと、汐の満ち干きの、満ちたです。
ちょっと不思議な気がするでしょうが、瀬戸内海は汐の満ち干きが非常に大きく
3メーターから、ひどいところでは、6メーターにもなるところがあるので岸壁
もそのために階段になっているくらいです。あれを雁木というのです。渡り鳥が
木の枝を咥えて飛んできて、疲れてきたらそれを浮かべて休むいわゆる雁木が落
ちているところです。

目に見える醤油が無くなった、引いた。見える醤油は、ありがとうありがとう。
ところがこの一月、お醤油のおかげでおいしくご飯が食べられたのです。ビンの
中にありがとうが一杯満てたと言う意味です。
こんなことを、両親から教えてもらって育ってきて、今、親孝行のつもりで、尾
道の映画を作っているのです。

共通語になると文化が無くなる。20世紀の文明を21世紀は文化にしたい。
ことばは映像や、想像力を生む。目を閉じてても、ことばを聞いているだけで想
像することができる。一日の半分は昼間で、あとは、夜だ。人間だって半分は前
で、半分は後ろです。
一日の半分はしっかり観察をしよう。そしてあとの半分は、目を閉じて、うしろ
にある世界を思いだそう。

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[190]

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┠●┼┨ 発行/2003.10.15
┠┼○┨ 素晴らしい人生のために/今日の応援歌 【 第 190 号】
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----------◆CONTENTS◆------------------------------------2003 vol.190 -
テレビ寺子屋「親と先生とのいい関係」 教育評論家 坂本 光男先生
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最近、若いお父さんとお母さんが不安を抱えて、悩んでいる。地域により、違い
があるが、「学校と家庭との関係」と、「地域の親と子の関係」がうまくいって
るかどうかによる。今度、「愛されて育った子は親を忘れない」という本を出し
ましたが、今の子供達は、愛されているということを、漢字ないのが多くなって
いる。
褒めてもらっても素直に喜ばなくなった。親の方も「子供に手をかければ、何か
見返りがあるでしょうか?」と聞いてくる人がいるくらいですから、困ります。
親の子供に対する愛は、いわゆる無償の愛でなければいけない筈です。本当に愛
してるならば、いけないことをした時は、ちゃんと叱って欲しい。
子供も自分が悪いと思ってやってることもあるのですから。もしその時に叱らな
かったら、逆に自分のことを、考えてくれてないと思うくらいです。

今日は「学校の先生と親との結びつき」について、どうしたらよいか、考えてみ
ましょう。
子供の目の前にいる大人は、親と先生です。だからこれがよくできているかどう
かで違ってくるのです。ここがずれてると目指すものがわからなくなる。体は大
きくなっても、ついていけない。

実際、今の先生は忙しいのだ。五日間で六日間分教えなければいけない。次は受
験対策が問題だ。時間が短縮されたので、授業内容とのやりくりが大変だ。
親も不況のせいで、なかなか親子の対話がない。同時に学校との話し合いが少な
くなってきている。
学級懇談会、授業参観、体育祭、その他が少なくなっている。

北海道で小学校1年生が落ち着かない。両親が忙しくて、一緒に話す少ないので
先生があせってしまう。
親達に集まってもらって、一緒に頑張ろうと話し合った。家庭で食事の時、会話
をしてもらったら、2ヶ月で落ち着いてきた。

今の子供達は人の話が聞けない。15分もしたら飽きてしまう。15分毎にCM
を見ているからだ。

公民館で子供達に読み聞かせをしているお母さんが、学校で朝先生方が会議中に
教室で読み聞かせしてはどうかと、提案があり、お母さんたちが当番でやり、と
ても子供達に喜ばれました。
九州である先生が転校してきた小さい子供が、寂しそうにしていたので「高い、
高い」をしてあげたら、とても喜んだのです。そうしてふと気がついたら、ら僕
も僕もと、たちまち8人も後ろに並んでいました。お父さんが肩車をしたり、胡
坐の上に座らせたりすると、子供達に落ち着きが出てくるのです。いろいろ工夫
して中身を濃くしてやって欲しい。

三つのポイントがあります。

1.子供の長所、可能性を見つけること。

道でお母さんに逢った時、「どうですか」と聞いたら、「済みません。うちの子
は出来が悪くて」なぜ親が自分の子供に自信を持たないのでしょうか。私はどん
なことをやっているか、ほめてあげることはないかを聞きたいのですが、ただ勉
強の成績のことだけを気にしているようです。
では具体的にどういうことか。
(1)精一杯やってる子供
(2)優しい子供。お母さん、早く寝れば、肩を叩こう。
(3)人の役に立ってあ-る子供。寂しそうにしてたら声をかけてあ-る子供。
(4)付き合いの上手な子供。一緒にやろうよ。ありがとう。ごめんね。
(5)できることが一杯増える。ナイフで、果物の皮が剥けるようになった。

2.小さな行事を行う。

(1)土曜日に皆でおにぎりを作って、具を各自が選んで、おいしく食べる。
(2)誕生月には、お母さんたちがドライフライワーを贈ってお祝いする。
(3)カップラーメンを各種、食べてどれが一番おいしいかを、キャンプの時に
やったら、ツッパリの子供が日頃慣れてるので、一番上手だった。
大人が一緒になってやってくれるので、とても楽しいと喜ぶ。

3.親と先生の励まし会を持とう。

お父さんもお仕事でたいへんでしょうが、先生もやはり大変なのです。授業参観
日の時は終ってから、一言、先生を褒めてあげてください。

先生が道でお母さんに逢ったら、とても元気がないように見えたので、「どうな
さいましたか」と聞きましたら、「最近、仕事が減って、週4日だったのが、3
日になったそうです。すると先生が、「この頃、正志君がお手伝いを積極的にし
てくれてます」と話したら、お母さんが、「そうですか。私もまけないように頑
張ります」と元気になったそうです。

北海道の中学で修学旅行があることになり、何か親達ですることはないだろうか
と話し合い、皆で子供たちに手紙を書いて、先生に渡しました。噂を聞いた子供
達は何となく、そわそわしてました。
やがてホテルに入って、皆に配られた子供達はそっと、トイレで読んで、涙を流
している子供もいました。
一人、ツッパリがいたのですが、押入れに入って読んでいましたが、なかなか出
てこない。気がついたら、そのまま寝ていました。
翌朝、先生が是非、手紙を見せてくれと頼んで、見せてもらいました。
お父さんからでした。「滅多にない旅行だ。父さんには何も要らないから、お前
の記念になるものを買ってきなさい。決して、人に迷惑を掛けるんじゃないぞ」
と書かれてました。彼はうれしかったのでしょう。そこで、彼は忠実にそれを守
って、一番早く眠ったそうです。お陰でみんな静かに眠れたわけです。
やろうとすれば、誰でもできるのです。

どうも我々は子供の長所をあまり見ようとしない。欠点だけをチェックしている
ようだ。先生がいい点を教えてくれる。成績やテストだけじゃないのです。

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┏┯┯┓input-alpha/mail magazine ( 10 ) ===============================
┠●┼┨ 発行/2003.10.22
┠┼○┨ 素晴らしい人生のために/今日の応援歌 【 第 191 号】
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----------◆CONTENTS◆------------------------------------2003 vol.191 -
テレビ寺子屋「遊ぶ力の大切さ」 おもちゃ美術館 館長 多田 千尋先生
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最近の子供は、おもちゃに遊ばれている気がする。おもちゃ美術館にあるおもち
ゃは、子供がそれで遊びこなすためにあるのだ。
おもちゃのメーカーが想像する以上の遊び方を考え出して、自由に楽しく、遊ぶ
ものです。
最近子供の基礎能力の低下ということが、よく言われているようだが、私はむし
ろ基礎遊び能力が低下しているのではないかと危惧してます。これがどういうこ
とになるかということについてお話したいと思います。
私は幼稚園が大好きです。遊び力のシャワーが一杯あびせかけられるような気が
するのです。
各地の老人ホームをよく訪ねるのですが、そこには、ぼうっとした、うつろな目
をした老人の姿があります。遊びや、芸術や、自然とのふれ合いが不足するとこ
うゆう風になるのです。老人施設と幼稚園を半々に見て歩いているのですが、そ
れをどう繋ぐかが、今の課題です。

私は今、中野にある「おもちゃ美術館」の館長をしておりますが、子供中心の遊
ぶ力をつける努力をしておりますが、理念として、三つの柱があります。

1.おもちゃを作って遊ぶ。昔は作って遊ぶのが殆どで、後少しが買ってもらっ
たものだったが、今は殆どが買ってもらったものばかりで、自分で作ってそれで
遊ぶということが殆ど無い。ということは、楽しみが半減していると言ってもい
いでしょう。

2.おもちゃを借りて遊ぶ。本を図書館で借りて読むように、おもちゃをうちで
貸し出して、皆さんに楽しんでもらっているのです。無料で、ニ週間お貸しする
のです。結構、高いものもあります。一万円以上のものもたくさんあります。
あるお母さんなどは、年間30数回借りて、順番に子供が楽しんでいます。この
前、お母さんがメモを見ながら計算してみたら、なんと38万円になりました。
皆さんのなかで、年間おもちゃ代を38万円お使いになる方はそうたくさんはい
ないのではないでしょうか。でも借りるのならできます。

3.おもちゃを直して遊ぶ。おもちゃ病院があるのです。専門のおもちゃドクタ
ーが10人もいるのです。平均年令が67才です。家電メーカで長年冷蔵庫の製
造をしていた人。新幹線の工場で30年一筋に勤めていたという人等々、いずれ
もベテランのエンジニアばかりです。第二の人生を子供のために尽くしたいとい
う思いでやってくれているのです。
しかも、皆白衣を着て、聴診器を首からかけて、慎重に子供が持って来たおもち
ゃに真剣に聴診器をあてて診察して、「あ、これは緊急入院だ。うん、でも心配
いらない、これなら大丈夫だ。何とかなるでしょう」といって、優れた技術と知
恵で見事に直すわけです。子供達は、ワクワクしながら、尊敬の眼差しで、まる
で神様を見ているように感心しています。そして子供から「おじいちゃん、あり
がと」とお礼を言ってます。
今どき、おじいちゃんと孫がこんないい関係でいるということは、滅多にありま
せん。普通のおじいちゃんと孫とは、せいぜいお年玉やお小遣いというお金で関
係してるのが多いのではありませんか。赤ちゃんから、お年寄まで多世代間の交
流を図っているわけです。

最近気になる子供がいるのです。小学校3年生の男の子供ですが、毎週水曜日の
午後4時に来て、4時25分になったら、さっさとすぐ帰るのです。
不思議に思って、ある日、私はその子供に「どうしてそんなに早く帰るの」と聞
いてみたのです。すると「だってこの時間しか空いてないんです」と言って、鞄
の中から手帳を出して、スケジュールを見せてくれました。すると月曜は水泳、
火曜は英語、水曜はこの後、学習塾、あとの日も全部、埋まっているのです。
なんと、こんな子供が一週間のうちで、息抜きできる時間がたった25分間だと
は、一瞬、私は胸が痛くなったような気がしました。この子供と遊ぶには3ヶ月
前からアポイントを取らないと会えないのではないかと思いました。
24,5才のサラリーマンならいざ知らず、この子供は、大事な子供時代を必死
に生きようとしているんだぞと、その子供の両親に、叫びたい衝動に駆られまし
た。そういう孤立型、自分一人で遊ぶのが多くなっているのです。

遊ぶということはいろんなことを学ぶ手段で、大切なことです。遊びを通じて人
間研究をするのです。0才から6才までの前期の子供のうちに、砂場で人のスコ
ップをだまって取ったりしたら、髪の毛を引っ張られたり、無理に取ったりした
ら、大人の人から叱られたり、重い空気がただよって、気持ちが悪いというよう
なことが身にしみてわかるのです。立派な人間研究だと思います。
鬼ごっこにしても、小さな子供でもみんなといっしょに遊ぼうよと大きな子供が
呼び入れてくれます。「おみそ」といって、つかまっても大丈夫という条件をつ
けて遊んでくれるのです。力の弱い子供や、小さい子供も仲間はずれにしないA
ランクの人間です。
ハンディキャップがある人でも普通の人でも一緒に遊ぶことができる。

逆に最近は、人間研究が無くなったようです。
先日、小三の二人の子供の会話を聞いていて、びっくりしたことがあります。
A君がB君に話しかけてました。「さっき、君と遊ぶ約束をしてたけど、C君と
遊ぶようになったので、又今度にしてくれよ。いいだろう」と言ってました。
なんと、まさにドタキャンです。何でそんなことをしないで、三人いっしょに遊
ばないのだろうと思いましたら、待ち時間の問題でした。一人がピコピコやって
いる時、もう一人が待っていて、10くらいやって終わり次第交代してすぐやれ
る。もし三人いたら、他の二人が待つ時間が長くなりすぎるからというのです。
問題はその時、キャンセルされたB君がなんと、「あっ、そう」と言ってケロッ
としているのです。私はその時、「何故怒らないのだろう?悔しくないのか。」
と思いました。私達なら、悔しくて、「何故だよ、理由を聞こうじゃないか」と
殴りかかっていったかも知れません。どうも喜怒哀楽の感情が薄くなったような
気がします。昔は、今日A君と遊ぶんだけど、B君も一緒に遊ばないか、と誘っ
ていたのではなかったでしょうか。

人間研究が不足しているのが心配です。

ここに一つのおもちゃがあります。沖縄、正確にいえば、琉球の頃からのおもち
ゃですが、蛇のおもちゃです。開いた口を相手の人差し指にかぶせて、尻尾を引
っ張ると口が閉まるのです。反対に押すと開くのです。スキンシップをとるおも
ちゃです。

沖縄のお年寄で85才になる郷土史研究をしている人に聞いてみたら、子供のこ
ろよく作ったと言ってました。小一の時、好きな女の子の手をさわりたいと思っ
たのですが、なかなか勇気がでないのです。てれくさいので、ふざけているふり
をして、「おい、ちょっと来いよ」といって、はずみで、ぱくっと咥えさせて、
ひっぱったりしたもんだと言ってました。
海外で講演した時に紹介すると、とても好評でした。
「おっ!それぜひ私にくれないか」というので、「いいですよ」とわけてあげた
ら、早速飛び出して行って、片っ端から、女性の指を挟んで喜んでいました。コ
ミュニケーションのツールとして、おおいに潤滑油の役にたちます。

自然のなかでも、家の中でも0才から6才はもっとも遊びの天才だ。その大事な
時に部屋の中に閉じこもっていて、遊ぶことをしてなかったら、腑抜けになり、
これが枯渇すると、人間としての資質が不足し、分別の足りない、理性、感性が
薄くなりはしないか。
これから高齢者がますます増えていき、福祉化が進み、一人一人が人間の気持ち
がわかり、隣の人の気持ちがわかる人にならないといけない時代です。偽りの福
祉国家ではいけない。子供時代に遊ぶ力を身につけたら、豊かなライフスタイル
ができるでしょう。

かって、精神科医のなだいなだ氏と対談した時に、一つ質問をしました。
「子供は何故遊ばなければいけないのですか」その時、先生は間髪を入れずに答
えてくれました。「子供の時に一生懸命に遊んでないと、大人になって一生懸命
仕事ができるわけがない。一生懸命、遊びに集中していないと、一世一代の大勝
負ができるわけがない」遊ぶ力は決して侮れないと思います。

夕食の時、思わず居眠りするくらい、一生懸命に遊んだ子供は、遊び力で、社会
性も無意識のうちに身につきます。

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┠●┼┨ 発行/2003.10.29
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人生が素晴らしいものであるよう、素敵な言葉の応援歌を送ります。
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----------◆CONTENTS◆------------------------------------2003 vol.192 -
テレビ寺子屋[おもちゃのコミュニケーション]おもちゃ美術館長 多田千尋先生
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おもちゃ美術館ができてから、もう24年になりますが、最近の子供はカッター
ナイフの使い方が下手くそになったように思う。チャンスがなくなったせいかも
知れませんがね。どうも今は体の方は栄養満点のようだが、手先の方は何だか栄
養失調のような気がする。
これはお母さんにも言えるのではないかと思う。何でも電化、電化で便利になり
すぎているので、殆ど、直接自分の手でやる必要がなくなったからです。子供も
塾や、その他の習い事で忙しすぎる位になってしまいました。私立中を受ける子
供が多くなり、小学校4年の春休みでは遅すぎると言われるほどです。私達が子
供の頃は遊ぶのに夢中になったものですが、最近は、うちの子は野球や、サッカ
ーのチームに入ってますと親は言いますが、何だか親の管理下に置かれているよ
うな気がします。子供の自由がないと思います。昔と違って、原っぱとか、自然
の小川とか、その他の環境が全く変わってきているのも、原因といえます。

今日は「遊びとコミュニケーション」ということについて、お話したいと思いま
す。うちのおもちゃ美術館では、「日帰りの手作り教室」があったり、図書館の
ようにおもちゃを貸し出したりしています。今、幾つかの老人ホームに世界各国
のおもちゃ美術館開いてます。
そして、お年寄と、お母さんと赤ちゃんと一緒に遊んでもらいます。赤ちゃんは
第一級のボランティアだと思います。赤ちゃんが来たら、お年寄が急にソワソワ
し始めるのです。熊本、鹿児島、岩手といろいろなところの老人ホームを廻って
いますが、おもちゃや絵本で遊んでいると、おばあちゃんがぞくぞくと集まって
くるのです。

老人ホームの人に聞いてみると、最近変ったことが、三つあるというのです。

1.笑顔がとても多くなった。会話がはずむようになった。ほっぺたがピンク色
に輝いてきた。元気になってくるのです。

2.ベッドからすぐ起き上がる意欲が湧いてきた。普段なら、何もすることが無
いと言ってなかなかベッドから起き上がらないのに、気持ちよくすっと立ち上が
るようになりました。

3.何かしてあげたくなってきた。老人ホームも同じです。あるところで、一人
のおばあちゃんが私の手に3千円のお札を握らせました。私は初めてのことでし
たのでキョトンとしてましたら、これで、あの子供にちゃんちゃんこを買ってき
て下さいとのことでした。
同じ世代だけが一緒にいるのはよくないようで、多世代の集合体がいいようだ。
昔の子供たちは、5,6才の子供も小学校5,6年生と一緒に鬼ごっこで、遊ん
でいた。つまり大きな子供がちゃんと小さな子供を守って上げていたのだ。

コミュニケーションの厚みが薄くなった。昔は地域のおじいちゃんがいろいろ若
い者に教えてくれたものだが、今は核家族でそういった人が少なくなっている。

今日はたくさんおもちゃを持ってきました。
先ずはドイツの代表的な木で作った車です。この社長の基本理念が、お母さんの
背中を道路として走らせても痛くないようにするということだ。子供がお母さん
の背中を道路として遊ぶ時、そこに楽しい会話が生まれる。「ブブー」「わー、
くすぐったい」というような会話が始まる。人と人との潤滑油になるのだ。
まさか、黙ったままやってるというようなことはないと思います。

次はロシアの人形ですが、熊の親子で、親熊が小熊に行水させているおもちゃで
す。当然、「あ、今お母さんの手が頭に当たったよ」という会話もでてくるでし
ょう。
その次は傑作で、お母さん狐が子狐のために靴下を編んでいるおもちゃ。本当に
よくできてます。子供は「キャッキャ」といってッ喜びます。

又、手袋のようで、表は蛙で、裏返せばおたまじゃくしになる、ひっくり蛙とい
うおもちゃ。これは25年前に保育園のある保育師が工夫して作った物です。子
供達が喜んだので、皆に上げたら、家に持って帰ってお母さんに見せて話がはず
む。お父さんにも見せる。その翌日は又保育園に持って行き、皆と楽しく遊ぶ。
「昨日、お父さんに貸したら、なかなか返してくれなかったよ」とか、話がはず
みます。3才児が一週間たったら、自分で靴下をひっくり返すようになった。

もう一つ、二本の棒の間に6メーターほどの紐があり、その真ん中に玉を結びつ
けてあり、両端から、二人でそれぞれを自分の棒にクルクルと巻き付けながら、
どちらが早く、真ん中に行きつくか競争するおもちゃです。
これはやって見ればすぐわかりますが、かなり腕が疲れるゲームです。でも子供
に一番人気があり、たちまち10人ほど並びました。

老人ホームで車椅子に乗っている85才のおじいちゃんと、5才の子供とこれで
楽しく遊んでいる。いろんな人と人を繋ぐためになる道具だ。子供は少しでも早
くという気持ちが働くので、ドンドン前に進むのです。そうすると今度は下に垂
れた紐を一生懸命に棒に巻きつけるのだ。人と人との架け橋になるのだ。

最後に40センチくらいの棒の先に竹トンボの羽のようなものをつけて、手元の
方にギザギザの刻みをつけておき、別の棒でこするのです。そうすると、やがて
プロペラがくるくると勢いよく、回転するのです。

いろんなおもちゃを見ているうちに老人ホームのおじいちゃんは懐かしがって、
昔作った思い出話が盛り上がったりします。どうも今の子供をみていると、主食
とお菓子を間違えて食べているような気がする。テレビゲームやコンピュータな
どは優秀すぎるきらいがあり、面倒見が良すぎるような気がして、お菓子の一種
だと思う。それに引き換え、積み木だとかプラモデルなど、頭を使う遊びは主食
だと思う。お菓子と主食を間違えて食べているようなものだ。

遊びの一流プレーヤーである子供にっとって、少しもの足りないのではないだろ
うか。そうしないとふぬけになってしまう。

おもちゃによる遊びというものが、人間関係を深める立派なコミュニケーション
の道具ということを理解してもらって、楽しくやって欲しいと思います。

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IA magazine 素晴らしい人生のために 毎週水曜日発行(週刊誌) No.192

責任■小林高一/インプットアルファ現代情報研究所 ko-ko@bb.futaba.ne.jp
執筆■中村豊秀/ヒューマンコミニケーションセンター LDJ04070@nifty.ne.jp
配信■まぐまぐ 0000026706 http://www.mag2.com/ 登録と削除もこちらから

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